亡くなった夫・彰さんの遺影を手に過労死防止法について語る「全国過労死を考える家族の会」代表世話人の寺西笑子さん=6月12日、京都市、楢崎貴司撮影
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 「過労死等防止対策推進法」は、過労死のない社会を願う遺族の活動によって生まれました。2014年の成立から20日で丸10年。和食レストラン店長だった夫(当時49)を1996年に亡くし、2008年から「全国過労死を考える家族の会」の代表世話人として活動を引っ張ってきた寺西笑子さん(75)に「現在地」を聞きました。

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 ――過労死防止法成立までの道のりを振り返っていただけますか。

 私たち家族会は当初、「過労死防止基本法」という名称の法律を制定させる運動をしてきました。09年に政権を取った民主党(当時)はワーク・ライフ・バランスをマニフェスト(政権公約)に掲げていました。運動を前に進めるチャンスだと考え、10年から本格化させ、集会や署名活動を行いました。

 12年に自民党に政権交代して運動は振り出しに戻りましたが、自民や経営者側にも理解を得られる法律の制定に向けて、集会やロビー活動を続けました。

ベテラン議員は耳貸さず

 ――困難もありましたか。

 与党の若手議員は熱心に「一…

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